2010/05/04(Tue)
今週末日曜日、東京競馬場では3歳マイル王決定戦・NHKマイルC(GI)が行われる。この一戦に出走を予定している有力馬たちの1週前追いの模様を詳細レポート!

サンライズプリンス
前走のNHKマイルCトライアル・ニュージーランドT(GII)は、外枠不利の中山1600m戦で大外16番スタート。ダッシュが付かず、前半脚を使いながら先団に取り次ぐ。4コーナーでは先頭に踊り出る勢いを見せ、直線早めに抜け出すとそのまま押し切った。大きなフットワークをしており、中山コースでは能力を出し切れないと思われたが、前々の競馬に徹し、ノビノビと走らせたことでその不安を一蹴。勝ちに行く強気の競馬で、2着に0秒3差の完勝。ポテンシャルの高さを証明した。しかし、28日に栗東坂路で追われ、4F51秒4─37秒7─25秒1─12秒8(一杯)と時計は出たものの、併せたヒーロー(3歳未勝利)に1馬身遅れた。調教駆けするタイプで併走馬に楽に先着するかと思えた分、案外だった。ここ2走中山への輸送が2度あり、若干の疲れがあるのかもしれない。今週の最終追い切りの動きが注目される。

ダノンシャンティ
前走の毎日杯(GIII)は直線目一杯に追われることなく完勝。皐月賞(GI)をパスして、NHKマイルC→ダービー(GI)が選択された。中間は唸るよう気配を見せ、走りたくてうずうずしている様子だ。28日に栗東坂路で安藤勝騎手を背に追われ、4F53秒5─38秒2─25秒0─12秒6(馬なり)。併せたアースワーク(3歳未勝利)に半馬身先着。余力十分の手応えだったし、馬体の張りも申し分ない。素晴らしいデキを誇っている。

リルダヴァル
前走の皐月賞は直線で窮屈になり、ゴール前脚を余して0秒4差6着。鋭い決め手を搭載しており、マイル戦はピッタリ。広いコースに替わるのもまた魅力だ。29日に栗東Pコースで追われ、6F80秒6─11秒6(馬なり)。4コーナーをゆったりと入り、直線で鞍上が軽く合図を送るとスッと反応。手先の軽い爽快なフォームで駆け抜けた。骨折休養明けを叩かれ3戦目でグングン調子を上げている。

ダイワバーバリアン
前々走の弥生賞(GII)は直線で見せ場を作るものの失速して4着。距離を2F短縮した前走のニュージーランドTでは2着に巻き返しており、マイル戦がベスト。GI奪取に向け抜かりのない調整が続けられている。29日に栗東Pコースで追われ、6F74秒3─12秒3(強め)。併せたキョウエイアシュラ(3歳OP)に先着した。迫力満点のフットワークで、ゴール前軽く気合を付けると、併走馬をグンと突き放した。馬体に実が入り、体そのものを大きく見せている。ハードな調教を課しても、テンションも上がらず、精神面での成長がみられる。ひと皮剥けた感じだ。

エイシンアポロン
前走の皐月賞は絶好の状態で臨んだものの11着と結果が出なかった。今回はベストのマイル戦で巻き返しを図る。29日に栗東坂路で乗り替わる岩田康騎手を背に追われ、4F60秒5─44秒2─28秒8─14秒5(馬なり)。調教では豪快な動きを披露するだけに、軽めの調整はやや物足りなく映ったが、闘志を内に秘めた印象で高いレベルでデキは安定している。

レト
前走のニュージーランドTは直線で2番手に上がりかけたものの、ゴール前内からダイワバーバリアンに差され3着。見せ場は十分に作っており、ここでも侮れない存在だ。28日に美浦Pコースで追われ、6F76秒6─12秒3(一杯)。首を上手に前へ前へと伸ばすしなやかなフォームで駆け抜けた。前走時のデキをキープしている。

ニシノメイゲツ
ここ2戦勝負どころの3~4コーナーで気を抜くところを見せており、能力を出し切っていないレースが続いている。広い東京コースなら一変も十分にあるだろう。29日に美浦Pコースで追われ、5F65秒7─12秒3(強め)。併せたニシノテンカ(1000万下)に先着。膝を高く上げノビノビと走っていた。デキだけなら太鼓判が押せる状態にある。
2010/05/03(Mon)
2日、京都競馬場で行われた第10R・天皇賞・春(GI、芝3200m)は、C.ウィリアムズ騎手騎乗の2番人気ジャガーメイル(牡6、美浦・堀)が中団追走から直線鋭く伸びると、先に抜け出していた4番人気マイネルキッツを残り100mでかわし去り、そのまま先頭でゴール。悲願の重賞初タイトルをGⅠの大舞台で成し遂げた。また、3着には16番人気メイショウドンタクが入り、3連単配当は911,660円の大波乱。1番人気に支持されたフォゲッタブルは直線伸びを欠き、6着に敗れている。

 勝ったジャガーメイルは父ジャングルポケット、母ハヤベニコマチ。近親に92年の最優秀4歳以上牝馬に輝いたイクノディクタスなどがいる血統。鞍上のC.ウィリアムズ騎手、管理する堀宣之調教師ともに同レース初勝利。なお、堀調教師はキンシャサノキセキで勝った高松宮記念に続く、今年のGⅠ2勝目となった。

 配当は馬連2,320円、馬単4,190円、3連複208,890円、3連単911,660円。


 今回で141回目を迎えた伝統の一戦。スタートで一瞬、場内がわく。なんと、1番人気フォゲッタブルが1馬身ほどの出遅れ。鞍上の内田博騎手が必死で手綱をしごき、馬群に取り付いていったが、波乱を予感させる幕開けとなった。

 主導権を握ったミッキーペトラが、前半1000mを60秒7で通過し、馬群は縦長の展開。やや離れた2番手で連覇を狙うマイネルキッツが手応え抜群に追走する。好位勢を見る格好でメイショウドンタクはリズム良く運ぶと、中団馬群ではジャガーメイルとフォゲッタブルが虎視眈々。一団の後方馬群のさらに後ろ、最後方でジャミールが末脚勝負にかける。

 2周目の坂に差し掛かり、縦長の馬群が一気に凝縮する。各馬が淀の名物“2度の坂越え”をクリアすると、4コーナーで早くもマイネルキッツが先頭に躍り出る。直線に入り、後続との差を2馬身、3馬身と広げにかかる。そこへ後続からただ1頭、目の覚める末脚で襲い掛かったのがジャガーメイルだった。 必死で粘り込みを図る昨年の覇者を一冠歩ずつ追い詰めると、残り100mで形勢逆転。そのまま、3/4馬身差をつけて、悲願のビッグタイトルを手元にたぐり寄せた。

 パートナーを務めた豪州リーディングジョッキーのC.ウィリアムズ騎手は、これが日本でのGⅠ初騎乗初勝利。「今回はジャガーメイルに導かれて勝つことができました。この馬が重賞を勝ったことがないなんて信じられません。できれば自分の国であるオーストラリアのGⅠ・メルボルンCでジャガーメイルとタッグを組みたいね」と喜びを爆発させた。

 これまで、あと一歩のところで重賞タイトルを逃してきた。そして、ついに成し遂げた悲願の重賞初制覇は、GⅠのビッグタイトル。視界は一気に開けた。今後は古馬中長距離路線を堂々と駆け抜けていく。
2010/05/01(Sat)
今週末の日曜日、新潟開幕週2日目のメインレースはオープン特別の谷川岳S(芝1600m)だ。過去5年間は芝1400mで行われてきたが、今年は以前の施行条件であるマイル戦に戻り安田記念(GI・芝1600m)へ向けての前哨戦としての色合いがより濃くなったと言える。なお、このレースは日曜新潟の第10Rとして行われるので、馬券購入の際などはご留意を。

 芝での全4勝のうち重賞(06年ニュージーランドT、07年京都金杯)を含む3勝がマイルでのもの。昨年はこのレースで2番人気4着に終わっているが、距離が延びマイルでの一戦となれば昨年以上の走りを期待したいのがマイネルスケルツィだ。前走は久々がこたえた格好で大敗。しかしひと叩きされて気配は順当に上昇、ベスト条件と言えるここなら大きな巻き返しがあって驚けない。中間は順調に調整されているが、1週前追いで抜群の動きを披露。叩かれた上積みは確実にありそうだ。豊かな先行力が主武器だけに、開幕週の良コンディションも後押しする。

 昨年の覇者ホッカイカンティはマイル戦でも良績あり、全4勝は左回りでのもの。当然今回も首位争いに加わってこよう。昨年11月以来5カ月ぶりのレースになるが、昨年の勝利も休み明けだっただけに、不安視は不要だ。放牧から4月上旬に帰厩。当初は動きに鈍さが見られたが28日の併せ馬では鋭い伸びを見せ、大差先着を果たした。このひと追いで連覇への態勢は整ったと見ていいだろう。

 陣営が「まだ復調途上」と語る状態ながら前走・福島民報杯で2着に食い込んだのがケイアイライジン。適距離からはやや短い印象もあるが、京成杯AHや富士Sなどマイル重賞でも差のないレースを繰り広げており、オープン特別のここなら上位進出も十分にある。この中間、速い時計は美浦坂路での2本だけだが25日は4F52秒2、28日は4F51秒9と、ともに馬なりで好タイムを披露。休み明けを二度使われ、状態は着実に良化している。

 前走は休み明けで幾分余裕を残した状態だったが、危なげないレース運びで準オープンを卒業。南半球産の素質馬オセアニアボスはここへ来ていよいよ本格化の兆しがある。叩かれての上昇度は大きく、28日の追い切りでは渋った馬場をものともせず栗東坂路で4F50秒8-1F12秒3(一杯)という超抜時計をマーク。今回昇級の一戦となるが、勢いに乗ってあっさり突破のシーンまで考えたい。